2016年活動レポート!!
石けんプロジェクト
2016/10/21
2016年ものこすところあと3か月ちょっと。
今年の9月までのハッピーステップスの活動をご報告します。
プロジェクト報告概要
<石けんプロジェクト>
石けんプロジェクトは、日本国内においてリサイクルを促進するにとどまらず、グローバルレベルでの石けんリサイクルの促進を目指すべくClean the World(CTW:クリーンザワールド)および一般社団法人ハンドメイド石けん協会と連携を開始しました。今後、「石けんリサイクル」という同じ志のもとに連携しリサイクルを拡大していきます。
<ウガンダ自転車プロジェクト>
2016年、ウガンダ自転車プロジェクトはその成果を報告しながら、「リモートマネジメント」を通じた国際協力のありかたを啓発すべく広報活動を重点的に行いました。5月には「JICA地球ひろば設立10周年記念感謝祭」に出展しました。延べ200人の来場者がブース展示に訪れ、本活動に対し高い関心を寄せていました。
※ウガンダ自転車プロジェクト:アフリカのウガンダにおいて、貧困脱却や生活支援を目的。低利ローンでの自転車販売を通じて、水汲み作業の効率化を図り所得向上を目指した。48台を44人に販売しました。プロジェクトは、2015年6月に終了し、現地NGOへ移管。
■石けんプロジェクト活動詳細■
<グローバル連携>
■目的・背景
(目的)
国際的に推進されている「石けんリサイクル」の活動の輪をさらに広げ、これまで以上に石けんを必要とする人々にそれらを届けることを目的にしています。
(背景)
世界および国内で様々な団体によって石けんをリサイクルする活動は行われています。ハッピーステップスが活動を広げていく中で、アメリカを拠点に石けんをリサイクルする活動をしている「クリーンザワールド(以下CTW)」および国内で3000人以上の会員をもつ「一般社団法人ハンドメイド石けん協会(以下、石けん協会)」と出会うことができました。これを受けて、同じ志を持つ同士、互いの強みを活かしていくことになりました。
■連携内容
グローバル連携の手始めに、まずハッピーステップスは、以下について連携を進めることになりました。
- 「粉石けん」の提供:
途上国に配布する石けんは、「粉石けん」が適しているため、ハッピーステップスとさやま作業所がこれまで磨いてきた石けん加工技術を活かし、CTWと石けん協会に粉石けんを提供することになりました。
- 国内高級ホテルの紹介
これまでハッピーステップスは、数多くのホテルと石けんリサイクルについてディスカッションしてきました。国内ホテルの石けんリサイクルを促進すべく、CTWや石けん協会に紹介していきます。
- 石けん回収協力
エコラボ様を通じて石けん回収の協力を行うことにしました。
■石けんリサイクルの飛躍へ!
これまで、グローバルレベルでは、CTWをはじめとする数多くのNPO団体により、ホテルからの廃棄石けんなどのリサイクル活動が推進されています。そして、その多くは途上国へ手洗い用石けん(固形)として配布されています。これには、途上国において衛生環境の整備が不十分ななか、加えて手洗いの習慣もあまりないという現状が背景にあります。
一方、日本ではまだまだこうした活動は少なく、認知度も低いのが現状です。確かに、衛生環境改善に係る取り組みは多くありましたが、廃棄石けんをリサイクルし、「国内ではリサイクル、海外では衛生環境改善」と双方にとってプラスとなる活動は少なかったのが現状でした。ハッピーステップスは、上記に着眼し2011年から活動を開始していました。しかし、輸送上の問題やコスト面から、海外への展開が難しい状況にありました。
しかし今回、ハッピーステップス、CTW、石けん協会がタッグを組むこととなり、これまで以上に効果的に日本から世界に向けた活動を推進することが可能となりました。
本活動には次の効果が期待されます。
- 途上国の実情に合わせた石けん(粉石けん)が配布可能
- 活動を継続していくことによって他のホテルがリサイクル活動に参加(波及効果)
- 活動の成果を発信することで一般市民のリサイクル意識を啓発
- 石けん協会会員の理解を得て活動に参画することで草の根レベルでのリサイクル運動が拡大
このように、今回のグローバル連携を進めたことによって、それぞれの団体が持つ強みが相乗効果となり効果的な活動を推進することができます。
今後も、グローバル連携を強化しながらリサイクルを拡大していきます。そして、日本国内の廃棄石けんがなくなることを目指していきたいと考えています。
ハッピーステップスの強みは、粉石けん生産技術でとそれによる障がい者の雇用創出。CTWと石けん協会との連携を通じてこの強みをさらに磨き、雇用も拡大できればと期待しています!
■連携団体紹介
(団体紹介)
Clean The World(CTW):
2009年に設立されアメリカのフロリダを拠点とする団体。世界各国のホテルから廃棄される石けんをはじめとするアメニティを回収し、途上国をはじめとする地域(100か国)に配付している。アジアでは香港にリサイクル施設を所有しており、石けん加工や配布拠点として機能している。日本での石けん回収の活動はハッピーステップスとの連携により実現。
関連URL:https://cleantheworld.org/
一般社団法人ハンドメイド石けん協会:
手作り石けんの技術を知識の向上を目的に、石けんつくりの資格や検定を行う。「Earth Soap Action」というプロジェクトにてハッピーステップスと協働しており、ホテルからの廃棄石けんを途上国に配布できるよう活動を開始。
関連URL:http://www.sekken.info/esa/
<その他の活動>
■彩祭への石けん寄贈
ハッピーステップスは、カンボジアで衛生指導などの活動を行っている「彩祭」という団体に石けんを無償で提供しています。彩祭は、学生を中心とする団体で、2013年以降毎年カンボジアにて活動を行っています。
初年度から、石けんを配布し手洗いの指導をしてきました。ハッピーステップスとはその時から連携を始めていました。また、収益の一部で井戸をほるなど積極的に衛生環境を整備するための活動を行ってきています。毎年、ハッピーステップスは、彩祭の活動を「石けんの提供」という形で支援しています。
今年の実施概要は以下の通りでした。
期間:8/24(水)〜8/26(金)
対象:カンボジア王国 シェムリアップ州コークドーン地区 プラサートトラウ村全域の家庭
内容: 手洗い指導
これまでは彩祭は、子どもを中心に啓蒙活動を行ってきましたが、今回は家庭にお邪魔して大人に対しても衛生指導行いました。今後も、ハッピーステップスは、彩祭の活動を石けん提供という形で支援をしていきます。そして、お互いの協力関係を強化していきたいと思います。
少しずつではありますが、こうした「石けん」によるつながりが広がっていくことで、廃棄石けんの国際的なリサイクルを促進させていくことに加えて、途上国支援にもつながればと考えています。
■ウガンダプロジェクト■
■広報・啓蒙活動
2016年5月28日、ウガンダ自転車プロジェクトは、「JICA地球ひろば設立10周年記念感謝祭出展し、活動を報告するとともに、ブース展示では石けんプロジェクトにも触れリサイクルに対する意識啓発にかかわる活動をおこないました。
成果報告のプレゼンテーションでは、プロジェクトの概要から効果・課題までを具体的なデータや検証に基づき報告しました。特に、現地ニーズ把握の困難さ、効果的な債権回収の仕方について経験に基づいた生きた情報として報告することができました。
一方ブース展示では、パネル展示にとどまらず、映像による報告を行うなど来場者の関心を持ってもらいやすいよう工夫をしました。
その結果、延べ200人の来場者に関心を寄せていただくことができ、熱心に質問をされる方もいらっしゃいました。
またイベント終了後には、他団体の交流もあるなど有意義な時間を過ごすことができました。
■最後に
今回石けんプロジェクトにおいてグローバル連携を始めたことでハッピーステップスはより世界に向けた活動を進めていくことになります。ただ、メンバーが海外に転勤したり、再就職が決まったりと新たな門出が重なりました。これまで以上に効率的なプロジェクト運営を図るだけではなく、継続させることを優先しながらも、この挑戦を模索していきたいと思っています。 少しでも多くの石けんリサイクルが進むようこれからも活動の歩みを止めることなく邁進していきますので、応援のほど、どうぞよろしくお願い申しあげます!!!
(石けん配布状況2014年~現在)
累計:約4262Kg
時期 | 配布先 | 配布量 |
2014-2015/6 | 関東 児童養護施設 | 3.5t |
2015/7 | 児童養護施設 再配布 | 450kg |
2015/12 | 児童養護施設 再配布 | 18kg |
2016/8 | 児童養護施設 再配布 | 45kg |
2015-2016 | ルフロ様 販売 | 54kg |
2015-2016 | 個人向け販売 | 45kg |
2016/6 | 動物愛護団体 寄贈 | 20kg |
2016/5 | JICA感謝際 配布 | 30kg |
2016/6 | シャングリ・ラ ホテル 東京CSR活動 | 100kg |