2018活動レポート
石けんプロジェクト
2018/04/19
こんにちは。2018年は、プロジェクトが4年目に入ったことから、今回は業務委託先の成果についてご報告いたします!
プロジェクト報告概要
<石けんプロジェクト>
石けんプロジェクトは、2014年に開始してから3年以上が経過しています。本年は、これまでの活動の振り返りを含め、業務委託先の「さやま大樹作業所」における効果についてヒアリングを行いました。
定量成果として、現在に至るまで、石けんの粉砕機の設置、粉砕作業、包装、清掃作業等、計6名の利用者の方に作業を行っていただくことができました。定性的な成果として、外部提供する「製品」としての取り組みであることから、作業者の「よい製品を作りたい」という気持ちの面での変化が。3年間の活動を通じて、「ものづくりへの品質へのモチベーション」「チームワークの醸成」という成果を得ました。加えて、作業所の運営においても、利用者が「できる」ことを進めるのではなく、「できるためにはどうしたらよいか」という考えに。利用者に合わせた作業環境の変化の重要性を見出すなど、副次的成果が得られました。
<その他>
ハッピーステップスは、同じく石けんのリサイクルや衛生環境の改善(手洗い指導等)を行う他団体を支援しています。特に、学生が主体となる団体に向け、活動への助言など推進に必要な支援を行っています。2018年1月より、創価大学の学生に向けてインドネシアでの手洗い指導プロジェクト推進に係る支援を始めました。ハッピーステップスのこれまでの経験から、提携先の選択や石けんリサイクルに関して協力しています。プロジェクトは、2月の視察の上、8月に実施される予定です。
石けんプロジェクト活動詳細
<さやま大樹作業所での成果>
■これまでの経緯
2014年度より、ハッピーステップスは、石けんの粉砕作業をさやま大樹作業所へ委託しています。もともと、さやま大樹作業所では、リサイク洗濯石けんの製造をしていたご経験があったことから、作業をお願いしました。
業務委託以降、ホテルからの廃棄石けんを粉砕するための専用装置を導入しました。この石けん粉砕機は、セイシン社のご協力を得て特注。その後、さやま大樹作業所での作業場に必要な改善を加え、今では効率的な作業が可能になりました。
■さやま大樹作業所での成果
現在に至るまで、累積5トンを超える粉石けんを粉砕。委託している作業は、粉砕機の設置⇒粉砕⇒粉石けんの計量・袋詰め⇒粉砕機の清掃です。加えて、作業所の方に配付先への発送をお願いしています。
このたび、石けん作業の振り返りを行うべく、定性的な効果についてヒアリングを行いました。活動を始めてから、3年。さやま大樹作業所の利用者の方々にとって、次の成果が見られました。
【定量的成果】
◆利用者:障害者手帳B(中度)、A(重度)
◆作業ごとの利用者:計6名
全行程 2名
袋詰め作業 4名
粉砕機の掃除 4名
【定性的な成果】
① 品質へのこだわり
ハッピーステップスからの業務委託の前は、主に作業所内やイベントなど、内部向けに販売する製品を作ることが多かったようです。業務委託の作業では、都内のサロンや全国の児童養護施設と、外部に向けた商品を製造するものであったので、利用者の間に「品質へのこだわり」が見られるようになりました。
② チームワークの醸成
前述のとおり、良いものを作ろうという意識から、作業者間で声を掛け合うように。こうしたチームワークが意識されるようになりました。石けんの粉砕は、刃物が付いた機会を使用されています。粉砕機の前でケガしないよう声かけが行われるなど、安全に向けたチームワークも醸成されました。
③ 利用者に合わせた環境整備
これまでは、利用者ができる範囲での作業という意識でしたが、委託後は「どうすればできるか」という発想に転換したのとこと。例えば、粉砕機に手をいれないよう声掛けをするようにしたり、粉石けんを吸い込まないように声を出したりと、利用者に応じた作業環境を整えるよう工夫しました。
■ハンドメイド石けん協会
2018年、協会のホームページにおいてハッピーステップスの団体が提携団体として掲載されています。
ハンドメイド石けん協会は、「石けんを必要としている他国の人々」や「石鹸と環境のこと」について考え、必要な人のもとへ石けんを届ける「アースソープアクション」というプロジェクトを実施しています。
http://www.sekken.info/
<その他の活動>
■手洗い指導プロジェクト支援
2018年、創価大学のゼミグループ「GCP7期保健感染症グループ」がインドネシアにおいて手洗い指導を推進する活動を開始しました。この手洗い指導において、ホテルの廃棄石けんを活用するとのことだったので、ハッピーステップスへホテル連携などについて相談を受けました。ハッピーステップスは、この学生たちからの問い合わせを受けたのち、数回の活動へのディスカッション通じて、活動へのアドバイスなど、支援・協力を行うことにしました。
学生たちの計画が推敲されており、もともと現地パートナーとのネットワークが構築されていたことから、プロジェクト推進に大きな課題が見られないと判断したためです。
ハッピーステップスは、以前より彩祭という学生団体の支援をしていた実績があります。このように若い世代が、石けんリサイクルや衛生環境の改善(手洗い指導)を推進していくことにも力を注いできました。今後も、創価大学の学生にも活動が成功するよう提携先の検討などアドバイスを続けていければと思っています。そして、お互いの協力関係を強化していきたいと思います。
2018年4月に、プロジェクト1期の報告を受けました。8月に活動を実践するための小学校との打ち合わせや、関係機関(現地NGO)との調整について報告を受けました。また、石けんを提供してもらうホテルとの協力を得ることも。今後は、現地NGOとのコミュニケーションを通じて、石けんの回収や保管を進めていく予定です。
学業に忙しい中でも、しっかりとプロジェクトを進め、課題にひとつずつ対応している姿にハッピーステップスのメンバーも大変感銘を受け、よい刺激となりました。これからも頑張ってほしいと思っています。
【概要】
(期間)
第1期:2/23-3/3
第2期:8/20-8/31
(場所)
インドネシア ジョグジャカルタ・バントゥル地域
(目的)
下痢などの感染症予防のための手洗い指導
(内容)
① 手洗いソング・ダンスの作成
② 手洗い教育教材の作成
③ 石けんの回収
④ 石けんリメイク
⑤ 手洗い教育実践
⑥ 活動の評価・改善
■最後に
石けんプロジェクトを開始して3年が経過してようやく、業務委託先にも具体的な成果を確認することができました。作業場の細かな課題への対応は都度していましたが、作業全体を通じてどのような変化があったかなどは、あまり把握していなかったので、よい機会となりました。また、若い世代への新たな挑戦にも触れることができてお互いによい刺激となりました。
今後、細々ではありますが、必要とされている人へ石けんを届けて行きたいと思っています。 これからも、自分たちのできる力や持ち合わせている知恵を使いながら環境問題への取り組みを続けていきます。引き続き、よろしくお願い申しあげます!!!
(石けん粉砕・配布状況2014年~現在)
累計:約5589Kg
時期 | 配布先 | 配布量 |
2014-2015/6 | 関東 児童養護施設 | 3.5t |
2015-2016 | 児童養護施設 再配布 | 531kg |
2015-2016 | 企業・個人販売・団体向け配布 | 119g |
2016/5 | JICA感謝際 配布 | 30kg |
2016/6 | シャングリ・ラ ホテル 東京CSR活動 | 100kg |
2017 | 児童養護施設 再配布 | 90Kg |
2017/5 | ハンドメイド石けん協会 配布 | 100kg |
2017/9 | 個人向け販売 | 9kg |
2017/3-5 | 某ホテル石けん 粉砕 | 1.1t |
2017/3・8 | 彩祭配布 | 10kg |