2017年活動レポート
ウガンダプロジェクト
2017/10/26
こんにちは。もうすっかり秋の様相になってまいりました。
この度、2017年のハッピーステップスの活動レポートがまとまりましたのでご報告いたします。
今年は、昨年締結したグローバル連携をはじめとする他団体との連携に進捗が見られました!
プロジェクト報告概要
<石けんプロジェクト>
石けんプロジェクトは、2016年から構想していた他団体との連携を具体化しました。この、他団体の連携とは、日本国内においてリサイクルを促進するにとどまらず、グローバルレベルでの石けんリサイクルの促進を目指すものです。
連携する団体は、Clean the World(クリーンザワールド:以下、CTW)および一般社団法人ハンドメイド石けん協会(以下、ハンドメイド石けん協会)です。1月には、CTWと協議し、都内の高級ホテルから約1トンの廃棄石けんを粉砕し、配布先の調整を検討中。また、5月には、ハンドメイド石けん協会との連携により、約100kgのリサイクル石けんを配布しました。
また、2014年から現在に至るまで、プロジェクトは3年目を迎えています。これまでに約5トンもの廃棄石けんを粉砕・リサイクルしてきました。
<ウガンダ自転車プロジェクト>
2016年、ウガンダ自転車プロジェクトは「JICA地球ひろば設立10周年記念感謝祭」にて活動成果を報告し、一旦、ハッピーステップスとしての活動を終了しました。本プロジェクトは、アフリカのウガンダにおいて、貧困脱却や生活支援を目的に、低利ローンでの自転車販売を通じて、水汲み作業の効率化を図り所得向上を目指したもの。48台を44人に販売し、実地でのプロジェクトは、2015年6月に終了し、現地NGOへ移管しています。
<活動パンフレット>
2017年は、ハッピーステップスの広報活動にも力を入れました。パンフレットを作成し、石けんプロジェクトやウガンダ自転車プロジェクトおよび組織概要を説明しています。
石けんプロジェクト活動詳細
<グローバル連携の進捗>
■これまでの経緯
2016年度より、ハッピーステップスは、さらに石けんリサイクルの輪を国内外にひろげるため、「クリーンザワールド(以下CTW)」および国内で3000人以上の会員をもつ「一般社団法人ハンドメイド石けん協会(以下、ハンドメイド石けん協会)」との連携を開始しています。
具体的には、粉砕した「粉石けん」の提供や、高級ホテルの紹介など、石けん回収に関わる部分で連携しています。
この連携を通じて、途上国の実情をより把握した石けんの配布が可能となるだけでなく、国内での石けんリサイクルに対する理解や意識の啓発も可能になると考えています。
■1トン近くの石けんをトライアル!
CTWとの連携を進めるうえで、まずは「粉石けん」の使用感を試してみることになりました。同時に、受け入れ先の検討・選定を行うことにしました。
都内の高級ホテルより1トン近くの廃棄石けんを提供いただき、「さやま大樹作業所」にて粉砕を依頼しました。今回は、途上国の個別世帯に配布する前提のため、包装も小分けにしました。
(作業の様子)
① 約1トンの石けんを回収
都内高級ホテルおよびエコラボ様のご協力を得て1トン近くの石けんを回収・運搬いただきました。
これだけのまとまった石けんの作業は、骨が折れるのですが、精力的に取り組んでいただけました。
② 手作業で表面の汚れを除去
石けんは、未使用のものありますが、そうでないものも。ひとつひとつ、丁寧に表面についたほこりやその他の汚れを取り除きます。根気のいる作業です。
③ 粉砕機で粉砕
㈱セイシンにより特注で制作いただいた粉砕機にて粉砕します。こちらも、少しずつ投入する必要があり時間のかかる作業となります。
④ 小分けの袋に充填
最後に、小分けの袋に充填します。今回は、個別家庭への配布を想定しているので、通常よりも小さい包装になります。きちんと計量して充填します。
今回の石けんは、CTWの香港事務所にてその使用感を試しました。その結果、香港やその他アジア地域では、節水型の洗濯機が多く使用されていることから、泡残りがないようにするための、指示書が必要になる可能性が出てきました。現在、この課題についてどのように対応するか、ハッピーステップスとの協議が続いています。また、受け入れ先候補の国家の政策が大きくかわり、石けんの輸入に係る規制が強化され、大量の輸送が難しい可能性も出てきました。この課題についても同様に、協議を行っているところです。
ハッピーステップスも、国内ホテルへの啓発強化を検討するなど、リサイクル促進に向けてできることをさらに模索しつつ、グローバルでの展開の可能性を引き続き広げていく予定です。
<国内連携の進捗>
■ハンドメイド石けん協会
2017年5月に開催されたハンドメイド石けん協会主催のイベントに出席し、連携内容について説明しました。また、出席されていた会員に対して、石けんの配布(100㎏)を行いました。
ハンドメイド石けん協会は、「石けんを必要としている他国の人々」や「石鹸と環境のこと」について考え、必要な人のもとへ石けんを届ける「アースソープアクション」というプロジェクトを実施しています。加えて、ハンドメイド石けん協会のパンフレットにも、ハッピーステップスとの連携が紹介されています。
今後も、アースソーププロジェクトを支援することにより、連携をさらに強化していきたいと思っています。
<その他の活動>
■彩祭への石けん寄贈
ハッピーステップスは、カンボジアで衛生指導などの活動を行っている「彩祭」という団体に石けんを無償で提供しています。彩祭は、学生を中心とする団体で、2013年以降毎年カンボジアにて活動しています。
毎年、ハッピーステップスは、彩祭の活動を「石けんの提供」という形で支援しています。今年も、3月と8月にそれぞれに10kgずつ石けんを提供しました。
(今年の実施概要)
第1回目
期間:2月28日(火)〜3月3日(金)
対象:カンボジア王国 シシェムリアップ州とコークドーン地区プラサートトラウ村
内容:次の手順のもと、衛生意識の強化
- 手などが汚れたところで手洗いの重要性の啓発
- 手洗いの方法を教える
- 手洗いをやってもらう
第2回目
期間:8月22日(火)〜8月25日(金)
対象:カンボジア王国カンボジアのプラサートトラウ村(農村部)
内容:次の手順のもと、衛生意識の強化
- 石鹸をもちいた手洗い活動
- 衛生の活動として歯磨き指導
- 先生や保護者との手洗いに関するディスカッション
- (全体の活動)リレーとゴミ拾いを行い 等
今後も、ハッピーステップスは、彩祭の活動を石けん提供という形で支援をしていきます。そして、お互いの協力関係を強化していきたいと思います。
その他
■広報・啓蒙活動
2017年5月、ハッピーステップスは、組織概要や活動内容への理解を深めるために新たにパンフレットを作成しました。
これまでは、主にホームページやFacebook(フェイスブック)を通じて情報の公開や啓蒙活動を行ってきました。また、限られた人員と時間の中では、パンフレットの作成が難しい状況にありました。
しかし、昨年度、国内外での連携を強化に向け、広報活動を強化するうちに、やはり「パンフレット」があったほうが、わかりやすいということになり作成するにいたりました。
このパンフレットが多くの人の目に触れてハッピーステップスの活動に対する理解がより一層進むことを期待します。
■最後に
今年度は、昨年度から進めていたグローバル連携の活動の萌芽が見られました。確かに、海外規制や国内ホテルの開拓などの課題は山積みですが、リサイクル促進の旗印のもと協力関係を構築していけたらと思っています。また、2014年から、国内に配布している粉石けんですが、この活動も3年目。今後、細々ではありますが、必要とされている人へ石けんを届けて行きたいと思っています。 これからも、自分たちのできる力や持ち合わせている知恵を使いながら環境問題への取り組みを続けていきます。引き続き、よろしくお願い申しあげます!!!
(石けん粉砕・配布状況2014年~現在)
累計:約5589Kg
時期 | 配布先 | 配布量 |
2014-2015/6 | 関東 児童養護施設 | 3.5t |
2015-2016 | 児童養護施設 再配布 | 531kg |
2015-2016 | 企業・個人販売・団体向け配布 | 119g |
2016/5 | JICA感謝際 配布 | 30kg |
2016/6 | シャングリ・ラ ホテル 東京CSR活動 | 100kg |
2017 | 児童養護施設 再配布 | 90Kg |
2017/5 | ハンドメイド石けん協会 配布 | 100kg |
2017/9 | 個人向け販売 | 9kg |
2017/3-5 | 某ホテル石けん 粉砕 | 1.1t |
2017/3・8 | 彩祭配布 | 10kg |